柊研究所の備忘録

アート×ものづくり×教育を考える研究者です。

ニュージーランドでファームステイ。クニクニピッグがかわいかった。

今日の柊研究所の備忘録をはじめます。海外旅行というとガイドブック片手に観光地を巡る派と暮らすように旅したい派にわかれます。僕は後者でユースホステルのような相部屋の小さな部屋を借りて、その街を歩くの楽しむ。そんな旅行が好きです。中でも思い出に残っているファームステイとそこで出逢った動物たちについて備忘録にまとめます。

 

数年前のお盆休みのことです。

僕は海外に行きたかった。どこが良いだろうとパソコンの前でGoogleマップを眺めていた。

 

ロンドンに行ってみたい!英国文化に触れてみたい!

 

と飛行機のチケットを調べてみたものの、めちゃくちゃ高い。この年、ちょうどロンドンオリンピックが開催されていたので普段の2倍くらいの価格になっていた。。。仕切り直し。

 

動物がたくさんいるところに行きたいなあ。ファームステイってどうなんだろう。早速検索。

 

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すると上の方にGina&Partnersという会社が出てきた。ニュージーランド出身のジーナ・ヴィットルさんが設立したニュージーランドに特化した留学・旅行サイトらしい。

 

ニュージーランド出身の人が代表ってなんかおもしろそう。

 

サイトを開くと羊の写真が大きく出てきた。

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サイト参照

ニュージーランド留学専門 最高レベルの留学エージェント|Gina & Partners

 

羊。

しかもたくさんいる。

 

早速申し込みました。

いざ非日常の旅へ。

 

僕が選んだのはオークランド。

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 Google mapより

街の雰囲気は割と都会で、スカイタワーなんてものもある。

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  Google mapより

 

 ステイ先はそこから車で30分ほど離れた郊外。街灯もなく、車通りも少ない。ただ、広大なファームが隣接しているだけのところ。

 

まさに非日常

 

今までの自分の「静寂」の定義を考え直さなければならない。本当の静かさは遠くで豚が泣く声が、まるですぐそこにいるかのように聞こえる。物音ひとつひとつがクリアで、今まで生活の中に溶け込んでいたモヤっとした空気の層が取り去られたようだった。

 

僕はそこでいろんな動物と出逢った。

 

動物たちの紹介

 

ひつじ

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ひつじはのんびり屋で走ることはない。そんな勘違いをしていた。彼は、全速力でこっちに突っ込んでくる。群れの中でも記憶力がよく「エサくれる人」認定したら、ひたすら近寄ってくる。いや、突進してくる。そして、硬い前足で蹴りをあびせてくる。もし、ファームに出る前にまずやるべきことは着替えることだ。なるべくなら、それが泥だらけの前足をなすりつけられても笑顔でいられる服が良い。僕は次の日からカッパを着ることにした。

 

クニクニピッグ

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モップのようなパサパサの毛と短い足。歩くときは全身を引きずりながら這ってくる。つぶらな瞳でこちらをみている。

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近づいてきた。エサをあげると基本なんでも食べる。だいたい皮ごと食べる。バケツごと食べそうな勢いでがっつく。常にフゴフゴとないている。なんともいえないかわいさ。

 

うし

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乳牛は人懐っこいので、近くでみることができる。心なしか牛乳のパッケージの牛よりも白黒の模様がバラエティにとんでいる。

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出会えると幸福になれるハート牛。レア。

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さらにでかい牛。みるからに近づいちゃダメな牛。肩で風を切りながら迫ってくる。迫力がすごい。

 

アルパカ

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クラレで一躍有名になったアルパカ。髪型がおしゃれ。前はみえていない。

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ダニエル。

 

タマゴ

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1日にこれだけ生まれる。

 

ネコ

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資料館に人はいない。昔の歴史のビデオとそれを眺めるネコがいる。

 

うま

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広大な土地で育った馬は毛並みがきれいで凛々しい。どこか神聖な雰囲気さえ漂わせている。

 

ファームステイの良さは、羊の毛刈りショーなどの見世物としての動物たちではなく、日常のリラックスしている動物たちに出会えたこと。老後はこんなところで隠居生活が出来たらいいな。

 

 

以上、今日の柊研究所の備忘録を終わります。

 

 

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ブログ初心者が落ちるダークサイドとは?ブロガーを4つのカテゴリに分類してみた。

ダークサイドに落ちないこと。「僕のブログは僕のために」それが、この一年ブログを書いてみた結論だ。

 

すごく上から目線。偉そう。

 

ドンっと鈍器で殴られたような気がした。

妻はいつも素直な感想を言ってくれる。歳をとるにつれて自分に素直な意見を言ってくれる人が少しずつ減っていく。だから、それが凹むことでも貴重なのだ。僕は根がポジティブなので、少々のことではあまりへこたれない。それでも、この言葉があっさりと胸の奥に刺さったのは、自分に自覚があったからだ。

 

約1年前、僕がブログを書き始めたときに書いたのがこの記事。

 

ブログは小さな会社 - 柊研究所の備忘録

 

評論家にならないために。起業に向けた備忘録として、「柊研究所の備忘録」と名付けた。

 

その頃は気づかなかったけど、続けていくうちに、承認欲求とブログのマネタイズという2つのダークサイドに徐々に飲み込まれていく。どんな記事が今話題か、どこに広告をおけば、どんなハッシュタグが、、、、云々カンヌン。

 

ダークサイドの恐ろしさは、広告的な文章(これを広告度の高い文章と呼ぼう。)になるにつれて自己満足度が下がっていくことだ。自己嫌悪と言っても良いくらいに。

 

満足度と広告度でブログを分類 

例えば、縦軸に自己満足度(satisfactions)、横軸に広告度(publicity)をとった場合、僕の言うダークサイドは右下側にある。 

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 4つに領域を分けたときのそれぞれの特徴を考えてみる。

 

ダークサイド(右下)

自己満足度が低く、広告度が高い。アフィリエイトや承認欲求に気を払い過ぎて、憂鬱だけど義務感や稼ぎのためにブログを書いている状態。ココで強さを発揮するのは企業。Smart news、NewsPicks、TABI LAB、など。マネタイズが主目的だから個人の自己満足とは切り離せる。この領域に個人ブロガーが踏み込むとプロがつくった専門記事の劣化版になりがち。

 

プロブロガー(右上)

自己満足度が高く、広告度も高い。ダークサイドから満足度を強制的にあげたプロブロガー。多くの人がダークサイドで下積みをしている。承認欲求とマネタイズが最高しているため、それそのものが自己満足の高さに繋がる。イケダヤハトさんなど。相当な努力またはセンスによって道が開かれるので、生半可な装備で目指した素人はだいたいダークサイドに落ちていく。

 

やめた方が良い(左下)

 自己満足度が低く、広告度も低い。なぜかブログ始めてしまった人。あれ、おれ、何してんだろう。やめた方が良い。

 

僕のブログは僕のために(左上)

自己満足度が高く、広告度が低い。一番の顧客は自分。自分の好きなことを好きなように書く。何かを達成するための備忘録や日常の考えをまとめる日記など。気持ちよく続けられるが承認欲求とマネタイズが達成される確率は低め。自分に共感してくれる仲間が集まるかも。

 

僕ら起業家志望が最初に目指すべきは左上の「僕のブログは僕のために」なんだと思う。ココでは、顧客に自分を置く。自分が読みたくなるブログを書く。ソフトバンクの孫さんが言っていた。

 

他の誰かよりも自分を説得するのが一番難しい。

 

まずは世の中の流れを読むよりも自分の心を読む。うまく書くことが出来たら、自分の考えに共感する仲間をみつけることが出来るかもしれない。

 

だから、このブログはなるべく僕の心の中を映したものにしたい。ダークサイドに落ちないように気をつけながら。

 

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イノベーティブな若者の心構え

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プロジェクトが発足するするときよくこんな言葉を耳にする。

 

今回は社内の若手を中心に選んだ。自由にやってほしい。私たちベテラン勢では思いつかないようなアイデアを出してくれ。

 

今、世の中の経営者に「御社に必要なものは?」と尋ねると決まってイノベーションという言葉が返ってくる。イノベーションとは、不確実なもの。みんながあっと驚くもの。常識をひっくり返すもの。でも、これまで会社の文化をコツコツと創り上げてきたベテランたちはもう考え方の軸が固まってしまっている。今さら自分たちらしくないことなどと言われても簡単には思いつかない。そうだ、それならまだ会社に染まっていない若手に任せてみよう。というような流れで、どの会社も若手中心のプロジェクトが発足する。伝統を重んじるのではなく新しい風を歓迎する。

 

結果どうなるか。多くの場合、可もなく不可もなくでプロジェクトは終わる。若者たちはせっかくもらったチャンスとがむしゃらに頑張り上司たちをあっと言わせようとあの手この手でプレゼンする。評価者であるベテランたちは、自分たちが考えもつかなかった目からウロコのアイデアを期待するが、いざ聞いてみるとまったく論理的でない筋が通らない提案ばかり、君たちはもっと成長する必要がある、でも、可能性は感じたから引き続き精進してくれ。と当たり障りのない形でプロジェクトは終わっていく。

 

染まらない考えとは?

そもそも会社に染まっていないとはどういうことなのか。僕の家には、0歳児の子どもがいる。彼女はまだ言葉を喋れないが自分の好きなおもちゃを選ぶことはできる。例えば、左手にねこ、右手にブタの人形を持ったら、彼女は、左手のねこを掴もうとする。このどちらが好きかを繰り返して、10程度のおもちゃを一つずつ順位づけをしていった。その結果が下のツイート。

 

 

上位の左側にあるおもちゃたち(?)はリモコン、うちわ、おしりふき。もうおもちゃではない。大人が「子どもが欲しがるものを選んで。」と同じことを聞かれたら、これはおもちゃじゃない。と無意識のうちに枠をつくってしまう。

 

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おもちゃに限らず、知らず知らずのうちに枠をつくってしまう。機械工学の枠、プロダクトデザインの枠、上司の好みの枠、、、枠が増えていくことで何かを決めるのが楽になっていく。枠の数は経験値とも言える。

 

この枠に入れておけば確実にクオリティの高いものを提供できる。

 

ただ、この枠の中からは、不確実なイノベーションは出てこない。枠の外の広大な領域から探さなくてはならない。枠の外に目を向けるにはどうしたら良いか。

 

そこで考え出されるのが、枠を持ってない人に任せること。会社の若手が選ばれるのはこの理由からだろう。若手社員は少なくとも会社経験のなかから構築される枠は持っていない。

 

冒頭の例に戻ると、若手プロジェクトでは、上司をあっと言わせるものをつくるべきではない。これまで枠の中で、活動していた人が枠の外を判断することは難しい。判断は市場に直接問うべきである。クラウドファンディング、Twitter、Instagram、今は市場に直接話しかけるための手段が充実している。

 

例えば、東芝はクラウドファンディングサイト「Makuake」で酔いを視覚化するデバイスTISPYの資金調達に成功している。

 

アナタの酔いをコントロール。大人の新習慣、学習型アルコールガジェットTISPY | クラウドファンディング - Makuake(マクアケ)

 

大手企業もあの手この手でイノベーションの創出を狙っている。枠の外から探すのは簡単なことではない。だからこそ、失敗を恐れない若い力が求められている。

 

イノベーティブな若者の心構えは枠を超えて考えること

 

 

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今年が一番忙しかったスパイラル

去年よりも今年が忙しかった。そんなことを毎年言っているとしたら、それは、今年が一番忙しかったスパイラルを患っている可能性があります。もし、あなたが効率化と生産性を大事にするのなら、このスパイラルはとても恐ろしいものです。そこで、今回は、この今年が一番忙しかったスパイラルについてその概要と対策について備忘録にまとめます。

 

今年が一番忙しかったスパイラルとは?

毎年今年が一番忙しかったと言ってしまう状態のことです。僕が初めてこの言葉を聞いたときは、大学生の研究室時代でした。若く聡明な先生のもと、世の中の常識をひっくり返そうとする斜め視点の研究は刺激的で、僕らは毎日夜中まで研究室にこもっていました。そんなある日、研究室の先輩が、

「ひいらぎ、今年は、国際学会に論文に、と色々あったな。今年が一番忙しかったな。」

と言いました。その時、僕は、

「先輩、それ去年も言ってませんでしたか?」

と返したものの、深く気にも留めませんでした。しかし、それから数ヶ月後、今度は先生が、

「ひいらぎ、あっという間に年末だ。今年が一番忙しかったな。」

もし、先輩がこれから毎年、今年が一番忙しかったと言い続けたら、40歳になってもそれを言い続けるのかもしれない。彼らは研究を生業としてそのスパイラルを楽しんでいる節があるので、きっとそれで良いのかもしれない。でも、僕はできることなら、このスパイラルに陥りたくない。どうしたら、スパイラルを抜けることができるのでしょうか?

 

【今】今年が一番忙しかった。

【未来】今年が一番忙しかった。

スパイラルに陥っている!?

 

忙しいとは何か?

人はどんなときに忙しいと感じるのか?それは、仕事量の量が過剰なときです。1時間に1の作業できる人が10の仕事量を完了しようと思ったら10時間かかります。仮に5年後にその人のスキルやツールが充実して、1時間に5の仕事量ができるようになったとします。でも、5年後には大抵求められるものも大きくなります。もし、仕事量が100になったら、20時間かかります。効率が5倍なのに、仕事量は10倍、これが忙しさの原因です。

 

【今】仕事量10 ÷ 効率1 = 10時間

【未来】仕事量100 ÷ 効率5 = 20時間

効率以上に仕事量が増えると手に負えない!

 

人は自分の能力を過大評価する

僕らは小さい頃からその道のプロがすごい時間を費やした映画、家具、おもちゃ、スポーツを観て良かった、悪かったと批評します。そのため、自分が価値を提供する側にたつと、自分の能力を過大評価して、大風呂敷を広げた目標を立ててしまったり、部下の仕事の捗らなさに腹を立ててしまいます。今年一年間で自分の成し遂げたことを振り返ってみてください。それは、意外と小さいものです。自分のスキルと実績を理解することが忙しいをなくす第一歩になります。 

 

客観的にみると、自分の効率は思ったよりも小さい!

 

仕事量ゼロを目指す

効率を上げることは意外と難しい。仕事量の増大を補うだけの効率となるとなおさらです。これの解決するためには、『どうやって元の仕事量を減らすか』を考える必要があります。キーワードは、標準化・自動化・外部化です。標準化とは、その仕事を手順書にすることで、同じ成果を誰にでもだせる状態をつくることです。これは、1度目の仕事で何が本質だったのかを理解していることと、それを他のものに応用するにはどうすれば良いのかを考えておく必要があります。次に自動化。標準化された手順をボタンひとつで出来るようにします。中身をブラックボックス化することで、スキルなしで出来るようになります。最後に、外部化。その仕事をそっくり丸ごと外に委託します。ここまで来ると、仕事量ゼロになります。

 

【標準化】誰でもできる!

【自動化】ボタンひとつでできる!

【外部化】仕事量ゼロ!

 

 

重要なのは、自分の時間を常に意識することです。家族と過ごす時間を増やす。趣味の時間に充てる。新たな領域に挑戦する。人それぞれモチベーションは異なりますが、自分が選んだことに時間を使うことを意識することが大切です。

 

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つまらない授業の不思議

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 眠り猫を描いてみました。今日のテーマはつまらない授業についてです。

 

授業をきいてつまらない、眠くなるなんて経験はきっと誰もが一度はした経験でしょう。生徒にとって、退屈な授業は頭に入ってこない。でも、教育者にとっても、生徒が聞いてなかったり、寝ていたりすると、せっかくの伝えたいことが伝えられない。だから、つまらない授業というのは、お互いにとってあまり良いものではありません。

 

なぜ授業がつまらないか

その内容に興味がなく情報の使い道がないことが主な原因だと考えられます。本来、人の話を真剣に聞くときは何か目的があります。その現象のメカニズムが知りたい。人に話せるトリビアを集めたい。話し手の話し方を学びたい。話を聞いて笑いたい。などなど、目的はいろいろですが、何かを成し遂げたいことがあるからこそ、人の話を真剣に聞きます。初めから教える内容が決まっている授業は、いくら話し方が上手な先生でも、多くの生徒を満足させることは難しいものです。生徒ひとりひとり求めているものは違うのですから。では、生徒も参加できる双方向の教育とはどんな教育を指すのでしょうか?

 

双方向の教育の難しさ

生徒が発言する機会を増やしたり、積極的に授業に参加することをアクティブ・ラーニングと呼び、近年、文部科学省を中心に効果的なアクティブ・ラーニングが模索されています。一方で、これまでインプットを主体として行われていた教育から生徒にアウトプットさせる教育に変えるのは、けっこう難しいことです。例えば、歴史を学ぶとき、これまでの教育なら、年号や歴史の主要な出来事に関する知識をインプットして、後にそれを虫食い形式でテストして埋めれた数を点数化して評価する。これに、アクティブラーニングな側面を取り入れるなら、歴史上の人物になりきり、その視点で歴史を観察した結果をみんなの前でプレゼンテーションする。自ら考える力を養うなら後者の方が断然身につきます。歴史上の人物になりきることは、「なぜその行動を起こしたのか?」という教科書の範囲を超えた答えのない心情まで考える必要があり、深く考える力がつきます。でも、後者は評価者にとっては点数化が難しいです。

 

 教育の優先順位

 インプット主体の従来の教育の一番のメリットは、評価しやすいことにあると思っています。評価しやすく点数化しやすい、大量の人数を一度に並べることができる、レベルに合わせてシステマチックに教育を与えることができる。でもこれは、一見公平にみえて、テストが得意かどうかでレベル分けをするという不公平な評価になっています。本来、教育の最大の目的は「生徒が自立して生きていく力を身につける」ことにあります。それがいつの間にか、「簡単に評価出来てレベル分けできる。」という評価者視点の目的に変わってしまっているのかもしれません。個人的には「大人数を定量的に評価しなくてはならない」という前提条件を一旦忘れて、良い教育とは何かを考える必要があると思っています。

 

 良い教育とは何か?

 改めて良い教育とは何かを考えてみると、それは、思い返す授業だと思います。その授業がきっかけで何度もテーマについて思い出して考える。例え授業時間が1時間でも、学習効果は、10倍にも20倍にもなります。そんな生徒の想像力を刺激する授業こそ良い授業なのだと思います。

最後に生徒の積極的な授業参加を実現した例として、TEDでJHON HUNTERさんがプレゼンしたWorld Peace Gameの動画を紹介します。

John Hunter: Teaching with the World Peace Game | TED Talk

 

ときには、先生よりも生徒の方が魅力的な答えを持っている、それに気づかせてくれるような授業こそ、本当のアクティブラーニングと言えるのかもしれません。

 

 


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1年くらいレールから外れることの価値

前回のブログに引き続き学生のための教育機関柊研究所の構想について当時の資料を引っ張り出して、備忘録にまとめておきます。

 

前回は、『早期教育で大事なのは知識より経験』という話をしました。

http://www.hiragilab.com/entry/2017/07/19/184455

 

柊研究所のビジョンは『人生の寄り道を社会への近道に』でした。今回はそのビジョンを考えたきっかけについてです。

 

 

1年くらいレールから外れてみる

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そんな考えがふと浮かびました。たった1年。でも、そのたった1年が実は結構な決意がいるのだと思います。

実は、僕たちのキャリアの大枠はすでにレールが敷かれていて、その1年がなかなか捻出できません。

試しに、人生をざっくりと年表にしてみると、

 

小学校を6年間

中学校を3年間

高校を3年間

大学を4年間

社会人を38年間

 

多くの日本人はそれぞれの期間は違えど、大体これに当てはまります。小学校に入学してから、54年間ずっとどこかの組織に属した状態で、夏休み、年末年始など決まった休日以外は毎日そこで過ごします。もちろん、その毎日の行いは無駄ではなく、学習は自分の成長に、労働は経済を発展させてみんなの生活を豊かにします。

 

でも、たった1年なら、どこかの間で寄り道しても良いのではないでしょうか。

 

欧米ではこの1年をギャップイヤーと呼び、高校から大学入学までの期間に長期の休暇をとって新しい経験をすることが推奨されています。それでも取得率はまだまだ少ないそうです。

 

僕は社会人になる前に1ヶ月ーストラリアで過ごしました。たった1ヶ月でも、相部屋で他国の人と日本の文字について話したり(生まれて初めて自分の書いた字を美しいと言われました。)、知らない土地を街の人に聞きながら行き当たりばったりに歩き回ったり、数日の旅行ではできない経験をしました。そこで、半年間オーストラリアでワーキングホリデーに来たドイツ人など、ギャップイヤーを謳歌する多くの人たちと出会いました。彼らは旅行ではなく、そこに滞在して仕事をして、その生活に溶け込むように過ごしていました。暮らすように旅をするという旅行の仕方をその時初めて実感しました。『こんな経験を引き出す場をつくりたい。』と思いました。

 

 人生の寄り道を社会への近道に

 

それが、柊研究所のビジョンとなりました。一度、レールから外れて研究所で自分のテーマを持って過ごす。トライアンドエラーを何百回と繰り返すことで、専門領域を深めて、自信をつけて、再びレールに戻る。目の前の選択肢が広がり社会への近道になる。

 

そんな組織をゴールとして描きました。

ギャップイヤー、一度、意識してみるとおもしろいかもしれません。

 

(余談ですが、暮らすように旅をすると聞くと『世界ふれあい街歩き』を思い出します。)

 

世界ふれあい街歩き ドイツ ドナウ川をゆく [DVD]

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早期教育で重要なのは知識よりも経験

現在、柊研究所はものづくりプラットフォームFABLABをつくるために計画を進めています。

 

新しいものづくりFablabとは? - 柊研究所の備忘録

 

でも、その構想に至るまでには様々な紆余曲折がありました。きっと、これから先もいろいろあるでしょう。今改めて2年前を振り返るとその時には気づかなかった掘り出し物があるかもしれません。そこで、過去の事業構想の振り返りを備忘録に書いていきたいと思います。今回は最初に描いた構想の話をします。

 

学生のための研究所

 

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2年前に描いた初めの事業構想は、『学生のための研究所』でした。着目したのは、早期専門家教育です。

 

僕は企業の研究所に勤めていて、研究所では専門スキルの高い人がいます。彼らは大学時代に修士(マスター)または博士(ドクター)を取得して、大学時代から答えのない問題に毎日向き合っています。その生活の中で、問題解決能力、ストーリー構築能力、そして、仮説立案能力を高いレベルで培っていきます。「博士は頭でっかちで扱いにくい」とも言いますが、少なくとも僕の周りの人たちは間違いなく会社の将来を担っていく秀才たちでした。若くして、他の部署に引き抜かれマネジメントにまわる人もいました。

 

僕が感じたのはそれだけのスキルを持った人が企業の研究所の中に収まってしまうのはもったいない、という気持ちでした。欧米では飛び級など短期で博士がとれたり、学部を転籍して複数の専門をもったりと、若くして専門を身につける環境が充実しています。日本では、大学受験のときに何気なく選んだ専門から一生抜け出せずにいるなんてこと良くあります。一生を登る山をなんとなく決めるのはあまりにもったいない。まずは、手頃な山の頂上に立ち景色をみる。そうしたら、どの山が自分に合っているのか、きっとみえてきます。

 

知識よりも経験

 

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早期教育。今よりも少し早く15〜20歳くらいのときに夢中になって取り組める研究所があったら。尊敬できるメンターがいて、ググってもでてこない問題に面と向かって取り組む。そんな充実した期間があったら、社会に出るときにもっと選択肢がぐっと広がります。目の前に出されたメニューから選ぶのではなく、自分でビジョンを描く自立した社会人になれます。

 

ここで言う早期教育とは知識よりも経験です。1年先の知識を得ても1年分しか進みません。得た知識をどう使うか。バラバラに散らばった知識をどう繋げるか。トライアンドエラーをひたすら繰り返す経験こそ早期教育の本当のメリットです。

 

そんなことを考えながら『学生のための研究所』を最初の事業プランとしました。

 

今でもこの想いは変わっていません。

 

 

 

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