柊研究所の備忘録

アート×ものづくり×教育を考える研究者です。

今年が一番忙しかったスパイラル

去年よりも今年が忙しかった。そんなことを毎年言っているとしたら、それは、今年が一番忙しかったスパイラルを患っている可能性があります。もし、あなたが効率化と生産性を大事にするのなら、このスパイラルはとても恐ろしいものです。そこで、今回は、この今年が一番忙しかったスパイラルについてその概要と対策について備忘録にまとめます。

 

今年が一番忙しかったスパイラルとは?

毎年今年が一番忙しかったと言ってしまう状態のことです。僕が初めてこの言葉を聞いたときは、大学生の研究室時代でした。若く聡明な先生のもと、世の中の常識をひっくり返そうとする斜め視点の研究は刺激的で、僕らは毎日夜中まで研究室にこもっていました。そんなある日、研究室の先輩が、

「ひいらぎ、今年は、国際学会に論文に、と色々あったな。今年が一番忙しかったな。」

と言いました。その時、僕は、

「先輩、それ去年も言ってませんでしたか?」

と返したものの、深く気にも留めませんでした。しかし、それから数ヶ月後、今度は先生が、

「ひいらぎ、あっという間に年末だ。今年が一番忙しかったな。」

もし、先輩がこれから毎年、今年が一番忙しかったと言い続けたら、40歳になってもそれを言い続けるのかもしれない。彼らは研究を生業としてそのスパイラルを楽しんでいる節があるので、きっとそれで良いのかもしれない。でも、僕はできることなら、このスパイラルに陥りたくない。どうしたら、スパイラルを抜けることができるのでしょうか?

 

【今】今年が一番忙しかった。

【未来】今年が一番忙しかった。

スパイラルに陥っている!?

 

忙しいとは何か?

人はどんなときに忙しいと感じるのか?それは、仕事量の量が過剰なときです。1時間に1の作業できる人が10の仕事量を完了しようと思ったら10時間かかります。仮に5年後にその人のスキルやツールが充実して、1時間に5の仕事量ができるようになったとします。でも、5年後には大抵求められるものも大きくなります。もし、仕事量が100になったら、20時間かかります。効率が5倍なのに、仕事量は10倍、これが忙しさの原因です。

 

【今】仕事量10 ÷ 効率1 = 10時間

【未来】仕事量100 ÷ 効率5 = 20時間

効率以上に仕事量が増えると手に負えない!

 

人は自分の能力を過大評価する

僕らは小さい頃からその道のプロがすごい時間を費やした映画、家具、おもちゃ、スポーツを観て良かった、悪かったと批評します。そのため、自分が価値を提供する側にたつと、自分の能力を過大評価して、大風呂敷を広げた目標を立ててしまったり、部下の仕事の捗らなさに腹を立ててしまいます。今年一年間で自分の成し遂げたことを振り返ってみてください。それは、意外と小さいものです。自分のスキルと実績を理解することが忙しいをなくす第一歩になります。 

 

客観的にみると、自分の効率は思ったよりも小さい!

 

仕事量ゼロを目指す

効率を上げることは意外と難しい。仕事量の増大を補うだけの効率となるとなおさらです。これの解決するためには、『どうやって元の仕事量を減らすか』を考える必要があります。キーワードは、標準化・自動化・外部化です。標準化とは、その仕事を手順書にすることで、同じ成果を誰にでもだせる状態をつくることです。これは、1度目の仕事で何が本質だったのかを理解していることと、それを他のものに応用するにはどうすれば良いのかを考えておく必要があります。次に自動化。標準化された手順をボタンひとつで出来るようにします。中身をブラックボックス化することで、スキルなしで出来るようになります。最後に、外部化。その仕事をそっくり丸ごと外に委託します。ここまで来ると、仕事量ゼロになります。

 

【標準化】誰でもできる!

【自動化】ボタンひとつでできる!

【外部化】仕事量ゼロ!

 

 

重要なのは、自分の時間を常に意識することです。家族と過ごす時間を増やす。趣味の時間に充てる。新たな領域に挑戦する。人それぞれモチベーションは異なりますが、自分が選んだことに時間を使うことを意識することが大切です。

 

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