第5回は、「参考書」について書きます。
学生時代、僕はとてもケチでした。
それは、自動販売機でジュースを買うのも躊躇うくらい。
大学受験に向けて勉強を始める頃、参考書を選ぶにも、値段をみながら安くて良いものを探していました。
そんなとき、父からこんなことを言われました。
参考書のお金は自分で払いなさい。
ただし、無事に志望校に合格したら、3万円分までなら、出してあげる。
もともと参考書は自分のお金で買うつもりでしたが、この約束をしたことで、楽観的だった僕は、
受かれば返してもらえるなら、ケチってしょうがない。お金は気にせずいろいろ買ってみよう。
と、気になった参考書は片っ端から買っていきました。パラパラと進めてみて、感銘を受けた参考書は最後まできっちりと進め、それ以外は、買ったまま、ただ気になるページをつまみ読みしただけでした。
読んでいくと、参考書によって、自分との相性や情報量、考え方まで、全く異なることがわかりました。慣れてくると、目次を読んだだけで、「この著者はこういう考えで説明したいんだな。」という本の流れまでわかってくるのがとてもおもしろい経験でした。
これは、僕にこの後の学び方の指針を示してくれました。
学ぶときは、ある『本をどのように』読んでいくかはそれほど重要ではなくて、『どの本』を選ぶかの方が遥かに重要であること。
結果は無事に合格でした。
3万円も少し超えてしまいました。
でも、それ以上に得たものが大きかった受験でした。