柊研究所の備忘録

アート×ものづくり×教育を考える研究者です。

終身雇用の終わりはゆっくりと。

第6回は、『終身雇用と成果主義』についてです。

 

終身雇用とは、年齢とともに給料や待遇が良くなっていく制度で、その結果、ベテランさんは働きよりも多くの給料を貰い、若手は、そのベテランさんの分まで働く、そんな制度です。一見するとベテランさんを支えるのが難しそうで不公平な制度ですが、高度経済成長の時には、それでも、ベテランさんを支える若手の数が年々増えていくので、割とサステナブルな制度でした。

 

必ずしも企業の成長が約束されない今、働き始めてからリタイアするまで、ずっと同じ会社に所属して年齢とともに出世していく終身雇用は少しずつ衰退して若手でも能力次第で評価される成果主義に変わってきています。身の回りをみても中途入社の若手で出世している人や転職を理由に退職する人が随分と増えたような気がします。

 

でも、時代に即した成果主義を一生懸命うたってみても、それが歴史のある会社であればあるほど、変えることは難しいです。

 

年齢を重視してしまったり、

社歴を重視してしまったり、

ポジションから離れることが出来なかったり、

残業時間を評価してしまったり、

 

今を生きる人たちにとっての過去の悪習は、それを大事にしてきた人たちにとっては成功の秘訣であり、文化なのだと思います。

 

だから、簡単には変えられない。変えられないからこそ、成功を収めた企業が次の成功の波に乗り遅れて新しい企業が現れる。

 

そんな感じで、終身雇用の終わりはゆっくりと確実に訪れている。

 

時代が変わるのを待つのではなく、自分でその環境に飛び込んだり、環境を創り上げること、それがきっと、この流れの速い世の中で心豊かに過ごすための生き方なのかなと思います。